2016年12月08日

話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選

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・アイカツ! 第178話「最高のプレゼント」
・僕だけがいない街 第2話「掌」
・昭和元禄落語心中 第十一話
・この素晴らしい世界に祝福を! 第9話「この素晴らしい店に祝福を!」
・とんかつDJアゲ太郎 第2話「若者よ レコードをdigれ!」
・モブサイコ100 第11話「師匠 〜leader〜」
・NEW GAME! 第12話「ひとつ夢が叶いました!」
・舟を編む 第6話「共振」
・Occultic;Nine オカルティック・ナイン 第8話「我々のたどり着いた究極の医療なのだ」
・ハイキュー!!  烏野高校 VS 白鳥沢学園高校 第8話「嫌な男」

ルール
・2016年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。

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【各話コメント】

・アイカツ! 第178話「最高のプレゼント」
(脚本:加藤陽一/絵コンテ:木村隆一/演出:木村隆一/作画監督:やぐちひろこ、他9名)

 初代シリーズのフィナーレを飾る、『アイカツ!』最終回。オールスターキャストで贈る、「大空あかりvs星宮いちご 誕生日プレゼント争奪マラソンレース」の描写が、楽しくも切ない。メインキャラクターの世代交代を上手く乗り越え、作品の魅力を守り通した3年半だった。唯一の心残りは「大地のの&白樺リサ」コンビのアイカツの行方。この二人(特にリサ)には、描くべき物語の鉱脈が多く眠っていたと思う。

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・僕だけがいない街 第2話「掌」
(脚本:岸本卓/絵コンテ:石井俊匡/演出:石井俊匡/作画監督:伊藤公規)

 新鋭・石井俊匡による才気煥発の一本。全編を貫くシャープな映像感覚と、随所に挿入されるアニメ版独自の細やかな工夫が、原作からの跳躍を可能にしている。突如18年前に「再上映(リバイバル)」した主人公の戸惑いと決意が、ありありと伝わってくる様も秀逸。

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・昭和元禄落語心中 第十一話
(脚本:中西やすひろ/絵コンテ:園田雅裕/演出:園田雅裕、村田尚樹/作画監督:木村友美、他2名)

 隙なく完成された第一話、助六最後の高座が描かれる第十二話等。もはやどの話数を選べばよいか途方に暮れる本作の中で、個人的に最も胸にしみた、第十一話を挙げておきたい。春の日差しが包む縁側で、やがて始まる『野ざらし』の掛け合いは、過去の出来事や感情の記憶を感じさせる、美しい場面だった。

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・この素晴らしい世界に祝福を! 第9話「この素晴らしい店に祝福を!」
(脚本:朱白あおい/絵コンテ:亜嵐墨石/演出:久保太郎/総作画監督:菊田幸一)

 実家が日本海側にあるので、年末年始の帰省の際は必ず蟹を食べる。この数年来、「10選」の集計作業を終えてから、家族で蟹しゃぶに舌鼓を打つのが恒例になっている。劇中での濃厚な食事シーンを観て、元旦の蟹が待ち遠しくなった。今後はそこに甲羅酒も加えたい。

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・とんかつDJアゲ太郎 第2話「若者よ レコードをdigれ!」
(監督:大地丙太郎/音楽:藤原大輔/アニメーション制作:スタジオディーン)

 揚太郎の自宅部屋で繰り広げられる、集団トランス状態とグルーヴ感が凄い。クラブのフロアに限らず、音楽でアガることに場所は関係ないと教えられる一篇。"dig"をめぐるレコード店でのやりとりも楽しい。

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・モブサイコ100 第11話「師匠 〜leader〜」
(脚本:瀬古浩司/絵コンテ:安斎剛文/演出:安斎剛文/作画監督:吉田奏子、他3名)

 霊幻新隆、魅力全開の名エピソード。敵陣に口八丁でふらふらと乗り込んでいく前半から、モブに戦わない事を説くラストまで。霊幻の個性が存分に発揮されていて、視聴中痛快だった。昨年の『ワンパンマン』に引き続き、ONE先生は本当に恵まれた原作者だと思う。相手をいきなり殴る「催眠術パンチ」が最高!

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・NEW GAME! 第12話「ひとつ夢が叶いました!」
(脚本:志茂文彦/絵コンテ:藤原佳幸/演出:藤原佳幸/作画監督:菊池愛、他9名)

 一生懸命さが仇となり、周囲に厳しく当たりすぎた過去――。親しみやすいキャラクターたちが織りなす、明るく楽しい雰囲気の中に、そっと忍ばせた八神コウのドラマが良かった。彼女の物憂げな表情が穏やかに晴れていく、涼風青葉による告白シーンも感動的。「きらら」系原作のアニメ化として、充実感のあるシリーズだった。

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・舟を編む 第6話「共振」
(脚本:根元歳三/絵コンテ:長屋誠志郎/演出:長屋誠志郎/作画監督:浅野直之)

 丁寧な日常芝居の積み重ねが光る、淡い情感漂う好編。数年前からアニメーションのデータ整理に携わる機会があり、本作で描かれる「辞書の編纂」がとても身近なテーマに感じられた。「気長で、細かい作業を厭わず、言葉(アニメ)に耽溺し、しかし溺れきらず広い視野をも併せ持つ」。そんなアニメファンを目指して、日々研鑽していきたい。

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・Occultic;Nine オカルティック・ナイン 第8話「我々のたどり着いた究極の医療なのだ」
(脚本:永井千晶/絵コンテ:石井俊匡/演出:石井俊匡/作画監督:三木俊明、田村里美)

 高密度な脚本を手際よく料理し、緊張感のある作劇を実現。各話演出陣による競演が見所の本作にあって、石井俊匡担当回はここでも存在感を放っていた。その仕事ぶりから伝わってくる、才気溢れる勢いの良さは、まさに「新進気鋭」の言葉に相応しい。彼のクリエイティブな部分に迫る、特集記事やロングインタビューを早く読んでみたい。

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・ハイキュー!!  烏野高校 VS 白鳥沢学園高校 第8話「嫌な男」
(脚本:満仲勧/絵コンテ:満仲勧/演出:江副仁美/作画監督:下妻日紗子、他2名)

 今年7月、「アニメを読む」の懇親会で、田中一成さんとお酒をご一緒する機会があった。その際、田中さんとお話をさせていただいたことは、僕の大切な思い出になっている(「いま、自分の隣にハチマキがいると思うとドキドキします」と伝えたら、田中さんは優しく笑ってくれた)。

 本話のクライマックス。闘志を失いかけたチームを鼓舞するため、烏養繋心は渾身の力を振り絞って叫ぶ。急逝の報に接して以来、その声で聴くことは半ば諦めていた名台詞――。その瞬間に受けた心の震えは、忘れられない感情として、今も自分の中に残っている。

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posted by 新米小僧 at 05:51| 話数単位で選ぶ、TVアニメ10選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする